③ シリコンについて

 

シャンプーは「ノンシリコン」の方が良いってよく聞くけど、シリコンってそんなに良くないものなの?

 

 

10年ほど前からはじまったノンシリコンブーム。未だに続いていますね。
シリコンはどんなものなのか、そして果たして本当に悪者なのかご説明していきます。

 

Step.1 「シリコン」って何?

wikipediaによると「シリコーン とは、シロキサン結合による主骨格を持つ、合成高分子化合物の総称」とのこと。
全然意味が分かりませんね。

元々は工業用に作られた素材で用途によって様々な役割があるのですが、
シャンプー(ヘアケア製品)におけるシリコンとは、【髪の毛の表面をコーティングしてくれる成分】
だと簡単に考えてください。

ヘアケア製品だけに限っても、シリコンには非常に多くの種類があり、種類によって特徴があります。

ちなみにメーカーによっては、「シリコン」ではなく「シリコーン」という言い方をしていますが、
「シリコン」=「元素」、「シリコーン」=「シリコンに化学反応を加えて出来た化合物」のことなので、
「ノンシリコンシャンプー」ではなく、「ノンシリコーンシャンプー」というのが正しい呼び方です。

Step.2 髪の仕組み

シリコンの役割を説明するために、まず髪の毛の仕組みについて。
髪は内側から【①メデュラ ⇒ ②コルテックス ⇒ ③キューティクル】の3層に分けれています。

巻き寿司をイメージしてもらうと分かりやすいのですが、
【①メデュラ=具 ⇒ ②コルテックス=ご飯 ⇒ ③キューティクル=海苔】と考えてみてください。
「海苔(キューティクル)」がはがれて(開いて)しまうと、中のご飯や具がこぼれてしまいますよね?

この「キューティクル(海苔)」は非常に弱く、水に濡れただけでも開き、ヘアカラーやパーマをすると更にボロボロになってしまします。
すると中にある髪の大事な成分(ご飯や具)が流れでてしまい、結果傷んだ髪になってしまうのです。

Step.3 メリット

シリコンは上記の「キューティクル」を覆うようにコーティングしてくれます。
上記の巻き寿司で考えると、『海苔の上からラップ』をするようなイメージです。

キューティクルが開いたりはがれて、髪の栄養がダダ漏れになってしまった髪にフタをすることが出来るため、傷んだ髪に対しては非常に有効です。

またシャンプー時の摩擦を減らしキシみを軽減してくれる効果もあります。
だから『ノンシリコン=キシむ』というイメージが強いんですね。

Step.4 デメリット

傷んだ髪には有効なシリコン。でも良いところばかりじゃないんです。
シリコンの種類によっては、吸着性が高く、また疎水性(水をはじく作用)が強いため、
洗い流しても頭皮や毛穴に残ってしまう
恐れもあります。

またコーティングが強すぎると、トリートメントなどに配合されている
髪の補修成分等の栄養素が髪の内部まで浸透していきづらくなってしまうこともあるんです。

ハイダメージ用のトリートメントが週に1~2度の使用を推奨しているのも、この理由からです。)

一般的に、シャンプーに配合されているシリコンは残りづらい種類のものが多いですが、コンディショナーやトリートメントに配合されているシリコンは髪や頭皮に残りやすいものもあると言われています。

Step.5 シリコンの代替品

傷んだ髪にはかなり有効ですがデメリットもあるシリコン。
でも『ノンシリコンはキシむからやっぱりシリコン入りがいい!』という方も多いと思います。
でもシリコンが入っていなくても、キシみは予防出来るんです。

まず一般的なのは、「ポリクオタニウム-10」などの天然由来のコーティング剤でシリコンの代わりをする方法。
次にコンディショニング効果のある植物オイルやエキスでキシみを抑える方法などがあります。

またアミノ酸系洗浄成分の中には、洗浄成分自体にコンディショニング効果があるものも多く、そういった成分をメインで配合しているシャンプーはキシみが軽減されます。

 

ノンシリコンでもキシみを抑えてくれる成分があるんですね!

じゃあやっぱりノンシリコンでキシまないシャンプーを選べば間違いないんですか?

 

 

そうですね。今は比較的安価でもキシまないノンシリコンシャンプーも多く出てきているので、あえてシリコン入りを選ぶ必要はないかと思います。
ただカラーやパーマを繰り返して髪が酷く傷んでいる方は、コンディショナーやトリートメントだけでもシリコンが配合されているものにしていただくこともオススメです。

 

PAGE TOP